製造業やサービス業の現場でよく耳にするのが、
「在庫を積み増しておけば安心だ」
「生産を止めないために余分に作っておこう」
という考え方です。
確かに、在庫があると納期遅延のリスクは減ります。
しかし気づけば倉庫に製品があふれ、資金繰りは苦しくなり、帳簿上の利益も伸びない…。
それは決して偶然ではなく、在庫と利益の関係を誤解しているから起こる現象です。
在庫は一見すると資産に見えますが、実際には以下の負担を抱えています。
- 保管コスト:倉庫代、光熱費、人件費
- 劣化・陳腐化リスク:技術進化や仕様変更で売れなくなる
- 資金の固定化:在庫に資金が縛られ、次の投資ができない
つまり「在庫が多いほど利益が減る構造」が隠れているのです。
利益は“売れて初めて”生まれるもの。
作っただけでは、利益どころかコストの山を積み上げているにすぎません。
多くの経営者が「機械をフル稼働させれば利益が出る」と考えています。
しかしこれは大きな誤解です。
フル稼働によって作られた製品が売れ残れば、それは在庫として滞留します。
結果、稼働率は上がったのに、利益は一向に増えない…。
ここで必要なのは、**稼働率よりも“売上直結率”**を意識すること。
つまり、「動かすこと」ではなく「売れるものをつくること」に経営資源を集中させることが大切です。
在庫と利益のズレを解消するには、改善を「コスト削減」だけでなく「売上を生む技術」として捉えることが必要です。
1. DXによる効率化で営業行動を増やす
受注から納品までの業務をデジタル化すれば、無駄な入力や二重作業が減ります。
その分、営業や現場が「顧客と向き合う時間」を増やせます。
行動量の増加は、そのまま売上機会の拡大につながります。
2. 工数削減で利益を確保し、次の投資へ回す
紙や手作業に依存していると、探す・確認する・待つ時間が膨大に積み重なります。
これを削減すれば、1つの作業にかかるコストは確実に下がります。
浮いた時間を別の付加価値業務に回せば、在庫を増やさずとも利益を伸ばせる体制になります。
在庫に頼らない“利益体質”へ
利益が出ている会社には共通点があります。
- 在庫を減らし、フローで利益を回す仕組みがある
- DXで情報の見える化を進め、経営判断が早い
- 改善提案が「無駄削減」ではなく「売上拡大」に結びついている
- 経営者と現場が同じ目的を共有できている
逆に言えば、これが整っていない会社は、在庫ばかり積み上がり、利益が目減りしていきます。
在庫を持つことはリスク回避にはなりますが、利益を生むわけではありません。
むしろ、過剰な在庫は経営の体力を削る“静かな赤字要因”です。
大切なのは、在庫に頼らず利益を出す仕組みを持つこと。
そしてその仕組みづくりこそが「改善=売上を生む技術」なのです。
私は単なるアドバイザーではなく、現場に入り込み、経営者と伴走しながら改善を仕組みに変えるお手伝いをしています。
もし今、
「在庫はあるのに利益が出ない」
「稼働率を上げても成果が出ない」
と悩んでいるのであれば、そこには必ず改善のチャンスがあります。
📩 御社に合った“利益を生む改善”の一歩を一緒に考えてみませんか?
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