── 属人化を越える“次の一手”
文書化しているのに、なぜミスがなくならないのか?
「マニュアルはある。でも、結局ベテランがやらないとうまくいかない」 「チェックリストを作ったのに、現場では機能していない」
そんな声を、製造業の現場でよく耳にします。
丁寧に文書化された手順書。抜け漏れを防ぐためのチェックリスト。これらは本来、誰がやっても同じ結果を出すための“再現性”のツールのはずです。
しかし現実には、「○○さんじゃないとうまくできない」という属人化の壁にぶつかっている企業が少なくありません。
いったいなぜ、文書化しているのに現場は変わらないのでしょうか?
文書は“情報”、職人技は“感覚”
チェックリストやマニュアルが限界を迎えるのは、そこに**「判断」や「感覚」**が入り込む作業です。
たとえば、
- トルクのかけ方に微妙な“手加減”が必要
- 品質の合否が、実際の音や振動の“違和感”で判断されている
- 手順は同じでも、作業の“流れ”を読む力で生産性が違ってくる
このような作業は、表面上の作業手順をなぞるだけでは再現できません。
つまり、チェックリストでは“再現できる範囲”と“できない範囲”があるということです。
では、どうすればこの“感覚の壁”を乗り越えられるのでしょうか?
“文書化”から“可視化”へ、そして“共感”へ
職人技には、長年の経験が凝縮されています。 それは「文字にしにくい」からこそ、チェックリストだけに頼っていては属人化を解消できません。
必要なのは、“暗黙知”の見える化です。
具体的には、
- 実際の作業を録画し、映像で流れや勘どころを共有する
- ベテランに作業を実演してもらい、若手と一緒に振り返る時間を作る
- 判断基準や注意点を、チェックリストの余白に手書きメモで残す
これらは「ただの標準化」ではなく、**“現場の感覚を伝える工夫”**です。
さらに重要なのは、 その背景にある“なぜそうしているのか”という理由を共有し、共感できるストーリーにしていくこと。
属人化は「個人の力を過信する状態」ではなく、「組織として力を分散できていない状態」とも言えます。
チェックリストの次にやるべき“仕組みづくり”とは?
チェックリストが機能しないなら、それは“限界”ではなく“出発点”です。
文書化の次にやるべきは、
- 暗黙知を動画・図解・対話で“可視化”する
- ベテランと若手が一緒に改善する“対話の場”を設ける
- 感覚や判断を含めた“共通の言語”を育てていく
私はこれまで、自動車業界を中心に、 属人化の解消、マニュアル化支援、技術継承の仕組みづくりに15年以上取り組んできました。
コンサルタントというと「指示するだけ」のイメージを持たれることもありますが、 私のスタイルは“伴走型”。 一緒に現場に入り、可視化・整理・改善のすべてを共に進めます。
もし今、「属人化の壁」に悩んでいるなら、 一度、お話してみませんか?
▶ Evoloraでは初回無料相談を受け付けています
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