〜属人化から脱却する第一歩は「見える化」から〜
「うちの現場は、みんな分かってるから大丈夫です」
「困ったら○○さんに聞けば何とかなるし」
「マニュアルも一応あります」
本当に、そうでしょうか?
もし、ある日突然その“○○さん”が休んだら?
新人が入ったとき、すぐに戦力になれる仕組みはあるでしょうか?
作業や判断の根拠が、全員に共有されていると言えるでしょうか?
今、多くの製造業が気づき始めています。
「技術の地図」がないことが、成長の足かせになっていることに。
ある車載部品の製造現場で、定年を迎えた熟練技術者が現場を離れました。
彼が担当していたのは、工程間の段取り調整や品質判断。
作業内容自体はマニュアルに書かれていました。
でも、そのマニュアルには「なぜこの順番か?」「どこで注意するのか?」が書かれていない。
結果、後任はマニュアル通りに動いているのに、
段取りミス・品質バラツキ・納期遅延が頻発。
「なんで?やることは全部書いてあるのに…」
実は、彼の頭の中にしかなかった「全体の技術地図」が抜け落ちていたのです。
「技術の地図」とは、単なる作業手順ではありません。
全体の業務や判断の流れが、誰でも俯瞰できる状態にあることです。
技術の地図=“見える化されたプロセス+知恵”
- 作業の順序とつながり
- 判断基準や例外処理
- なぜその手順なのかという背景
- 経験者の工夫や注意点
これらを、チーム全体で共有し、理解できる状態が“地図を持っている”状態です。
地図がない現場にありがちな課題
- 属人化:誰か一人にノウハウが集中
- 非効率:手戻りや確認作業が多発
- 教育困難:新人が自力で学べない
- 改善停滞:「全体」が分からないので、改善の的が絞れない
このような状態では、どれだけ“忙しく動いていても”現場の本質は変わりません。
では、技術の地図=業務の見える化・プロセスマップをどう導入すればよいのでしょうか?
ステップ①|“現在地”を洗い出す(業務の棚卸し)
- 誰が・何を・いつ・どの順で行っているか
- 作業にかかる時間・頻度・必要な判断やチェック
これを簡単なフローチャートでいいので、まずは「目で見える」形にします。
Canvaなどを使えば、図や色分けで直感的なプロセスマップが簡単に作成できます。
ステップ②|“なぜそうしているか”をベテランから引き出す
単に手順を書くだけでは不十分です。
- 判断ポイント
- 経験則
- 例外処理
- 暗黙のルール
これらを、インタビューや対話形式で言語化し、プロセスマップに補足情報として加えましょう。
ステップ③|全員が“同じ地図”を持てる仕組みに
- 壁に貼る、デジタルで共有、動画化する
- 若手が気づいた点を追記できる“成長する地図”にする
- ChatGPTなどを使って、いつでも聞ける仕組みにする
「誰かだけが分かっている」から、「誰でも地図を見て進める現場」へ。
これが、属人化から抜け出し、改善が自走する組織への第一歩です。
「うちも、なんとなくみんな動けてるし…今さら手間をかけるのもなぁ…」
分かります。
でも、“なんとなく”で回っている現場ほど、大きなトラブルが突然起こりやすいのです。
「今、見えていないこと」が、将来の大きなリスクになります。
これまで現場を支えてきた“経験者の勘”や“判断のコツ”。
それを「頭の中だけ」で終わらせるのは、もったいない。
それは、組織にとっての「技術資産」。
だからこそ、
“誰もが見える地図”として残すことが、未来への投資なのです。
- 「業務が属人化していて可視化できていない」
- 「プロセスの全体像が見えず、改善が進まない」
- 「ベテランの知恵を次世代に引き継ぎたい」
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